💀「硯（すずり）で稼げる副業」─その裏に潜む“文化詐欺”の罠

🧩 「在宅で文化を支える」という甘い言葉に惹かれた夜

夜勤明けにスマホで映画を見ていたとき、静かな音楽と優しい女性の声が流れてきました。

「伝統を守る活動が、あなたの収入になる。」

その言葉に、私は思わず心を動かされました。
高校中退、借金、低所得。

ずっと思うようにいかない人生の中で「もう一度チャンスを掴みたい」と思っていたからです。

しかし、それは“希望の光”ではなく、巧妙に作られた罠でした。

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⚙️ 「硯（すずり）副業」とはどんな仕組みなのか

SNSやLINE広告などで見かける“硯副業”は、一見すると文化的で上品な印象を与えます。
しかし、その仕組みを調べていくと驚くほど単純です。

• 高級硯を「文化資産」として販売（価格は20万円〜80万円）
• 「将来、海外に転売できる」と説明
• 会員登録を行うと、販売サポートや紹介報酬が受け取れる
• 新しい会員を紹介すると報酬が入る

表向きは“伝統文化の継承ビジネス”ですが
実際のところは人を増やさなければ利益が出ない構造です。

商品ではなく“人の流れ”でお金が回る仕組みなのです。

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🪶 なぜ「硯」だったのか？その裏にある意図

この商法で“硯”が選ばれたのには、明確な理由があります。

① 価格があいまいで、言い値が通るから

硯の値段は、職人・石・産地によって自由に決められます。
「希少な石を使用」「著名な作家の作品」などと言えば、100万円でも“高く感じない”のです。

② 金融法の規制を避けられるから

硯は“工芸品”扱いなので、金融庁の監督外です。
つまり、金融商品に見えても取り締まりの対象にならないというわけです。

③ “文化”の言葉で安心させられるから

「伝統を守る」「日本文化を未来へ」――この言葉に、悪意を感じる人はいません。
むしろ“良いことをしている自分”だと思ってしまうのです。

こうした心理を利用して、人の警戒心を溶かしていく仕掛けになっています。

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👩‍🎨 松本悠里という“架空の広告塔”の存在

この硯ビジネスで頻繁に出てくる名前が、「松本悠里」という人物です。
SNSでは、上品な雰囲気の女性がこう語りかけてきます。

「家事の合間にできる文化副業で、私の人生は変わりました。」

しかし、調査を進めるうちに判明しました。

この人物は実在しない“広告キャラクター”です。

同じ顔・同じ文面で複数のアカウントが存在し、発信内容も一言一句同じ。

つまり、信頼を演出するために作られた仮想人物なのです。

私たちは“人”を信じたのではなく、“仕組み”を信じ込まされていたのです。

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🧠 心理を操る「３つのトリック」

このビジネスは、参加者の心理を緻密に操る仕組みで構築されています。

① 不安を植え付ける
「年金だけでは不安」「給料が減る一方」といった恐怖を刺激します。

② 希望を与える
「在宅で収入」「文化を支える」とポジティブな未来を見せます。

③ 責任をぼかす
「あなたが選んだことです」と言われ、すべて自己責任にされます。

これが、“合法に見える詐欺”の基本構造です。

自分で決めたと思わせることで、冷静な判断を奪うのです。

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💰 資金の流れを見てわかったこと

掲示板や被害者の証言を集めるうちに、実際の資金の流れが見えてきました。

1️⃣ 販売会社が高額硯を会員に販売
2️⃣ 会員登録料や維持費を徴収
3️⃣ 紹介した人に報酬を支払い
4️⃣ 新規会員が減ると報酬も止まる

この流れを見れば一目瞭然です。

硯の価値ではなく“人を紹介することでお金が動く”仕組みです。

販売会社はレンタルオフィスを住所にしており、代表者名も偽名。
訴えても実体がなく、泣き寝入りするしかないのです。

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⚖️ 「詐欺ではない」という詐欺の手口

運営側は「商品が届いているから詐欺ではない」と言い張ります。
確かに、硯は届きます。契約書もあります。

しかし、転売の保証も再販の仕組みも存在しません。
契約書には小さく、こう書かれています。

「再販価格の保証はいたしません。」

つまり、出口のない合法詐欺なのです。

硯が届いた時点で、被害者が騙されたことを自覚しにくくなるよう計算されています。

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🧩 私が学んだ“副業の本質”

これまでにFX・アフィリエイト・情報商材など、数々の副業を試してきました。
でも、どれも「楽して稼げる」という言葉に惹かれた瞬間に失敗してきました。

副業とは、地道に積み重ねる努力の延長線にしか結果はないということです。

自分で理解できないビジネスに手を出すことは、自ら財布を差し出すようなものです。

私はもう“楽して稼ぐ”という幻想は追いません。
たとえ遅くても、自分の力で積み上げていくことを選びます。

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🌙 今、苦しんでいる人へ伝えたいこと

もし、今の生活が厳しくて焦っている方がいるなら、伝えたいことがあります。

焦らないでください。

“すぐに儲かる話”ほど、危険なものはありません。

自分の力で行動し、少しずつ知識を増やしていくこと。
それが本当の意味での“人生逆転”への近道です。

夜勤明けの自販機コーヒーを飲みながら、私は思うのです。

「静かでもいい。小さくてもいい。でも、確実に前に進む一歩を。」

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🔥 「文化の皮をかぶった金集め」だった

硯副業は、一見すると伝統を守る活動のように見えます。

しかし、その本質は“文化”を利用したマルチ構造の資金ビジネスです。

• 硯の価値を誇張して高額販売
• 架空の人物で信頼を演出
• 紹介制度で資金を循環

表向きは美しい言葉で飾られていますが、その内側は冷酷です。

「伝統」「文化」「在宅」――この３つの言葉が並んだら、まず疑ってください。

私はもう負け組でかまいません。

でも、何も知らずに奪われる人生だけは二度とごめんです。

✍️ 執筆：負け組ルーザー

「負けた経験がある人ほど、次は強くなれると思っています。
　今度こそ、本物の“勝ち方”を見つけましょう。」